ラーメンばっか食ってると、ふと来るんだよな。「米食いたい」っていう衝動。
いや、もちろんラーメンも最高なんだ。むしろ人生の主食はスープに浸かった麺でいいと思ってる。でも、だからこそ定期的にリセットが必要なんだよ、胃袋的にも精神的にも。そんなある日の午後、なぜか町田をぶらぶらしていたら、米の衝動に見舞われた。
目的地も決めずに歩いていると、ふと目に飛び込んできたのが「米's kitchen(コメズキッチン)」という看板。
米の衝動に導かれていたからだろう、吸い寄せられるように店の前へ。もうこれは運命だろ。
看板に偽りなし?名前でハードルが上がる
まず「米's kitchen」って名前が強い。自信満々すぎるでしょ。
米が主役です、って名乗ってる。
じゃあ、お手並み拝見しましょうかって気になる。
メニューを見ると丼、カレー、そしてチャーハン(「炒米」と表記してあるけど分かりやすくチャーハンで(笑))
あった、求めていたやつ。
この時点で俺の腹の中は「ラーメン=浮気、米=本命」みたいな謎テンションになってる。
んで、俺が選んだのは「大盛りチャーハン」。
メニューの横にしっかり書いてある。「※かなり大盛りです」って。
こちとら町中華歴〇十年、そんな脅し文句には屈しない。
大盛り、受けて立つわ。
店内の空気と若者の葛藤
入店すると先客が二人組の若者男子。
ちょっと騒がしいけど、まあ町田だしな、若さも活気も全部ひっくるめてこの街の“味”だ。
聞くつもりもなかったのに、会話が自然と耳に入る。
「え、大盛り頼みたいけど無理だったら恥ずかしくね?」
なんだその青春。
チャーハンの前でそんなに悩むことある?
青春って眩しいな、と思いつつ俺は無言で大盛りをオーダー。心の中で「それが大人ってもんだ」とつぶやく。
そして着丼(着チャーハン?)
ほどなくして、チャーハンがやってきた。
どーん。
…ん? …んん?
若者が「スゲー」と声を漏らしているが、正直、俺の感想はこうだ。
「そこまでか?」


確かに一般的な飲食チェーンよりはボリュームある。でも、町中華で日々修行を積んでる人間からすれば、これは“デカ盛り未満”。

もっとこう、洗面器みたいな皿にドカン!とか、丼というよりバケツみたいな器に山盛り!みたいな、そういうのを期待してた。
完全に町田の「映え+ちょい大盛り仕様」って感じだ。
これが“町中華育ち”の目には物足りないのよ。
気合で大盛りチャーハンを完食してきた民は、だいたい「大盛り」と書かれてるメニューに関しては半信半疑なんだ。
「ほう、どの程度の“大”かな?」って感じで構える。
今回も、その構えが正解だった。
味はどうかというと…
さて、見た目はまあまあ、ボリュームも中の上といった感じだったチャーハン、いよいよ実食。
うん。
うんうん。
……そこそこ。
いや、ほんと「そこそこ」って言葉がしっくりくる。
不味くはない。
でも特別美味いってわけでもない。
米はしっかりしてる。パラっとしてるし、ベチャついてないのは評価できる。
ただ、塩気とコクがちょっと弱い気がする。ラードの香ばしさとか、焦げ目のパンチが足りない。
具材はスタンダード。玉子、ネギ、チャーシュー。
でもチャーシューの量が少なめで、噛み応えに乏しい。
「噛めば噛むほど旨味が染み出す系」のチャーシューじゃない。
なんなら、米が主役というより、「全体的に優しいチャーハン」って感じだ。
これ、たぶん狙ってこういう味にしてるんだろうな。
胃にもたれず、若者でもスルッといける。
ちょっとシャレた店内で、映え狙いの写真撮ってSNSに投稿する感じのやつ。
町田の中心地らしいチャーハンだ。
忘れてたアレ
で、途中まで夢中で食べてて忘れてた。
チャーハンって、単体で食い続けると飽きる。
そして単品チャーハンにしてしまった自分を呪う。
ああ、唐揚げセットにすればよかった…。
パラパラと口に放り込みながら、自分のチョイスミスに薄々気づいていく感覚。
この感覚、初めてじゃない。
過去にもやらかした、チャーハン単品注文の“地味後悔”。
いや、美味しいんだよ。
でも途中で“口の中が一色”になって飽きが来るんだよ。
唐揚げのジューシーな油と、ガリッとした衣が恋しい。
「セットにしとけば…」
この呟きを何人のチャーハン好きが繰り返してきたことか。
締めの感想、そして町田らしさ
食後はちゃんと完食した。
量的にはもう一口くらいはイケたかもって感じで、完全に満腹とはいかない。
でもまあ、腹七分目って実は一番身体にはいいんだよな。
退店しながら、改めて思った。
この店、決して悪くない。
というか、町田の今っぽいご飯屋としては、正解なんだと思う。
若者向け、映え要素、ちょっとオシャレな店内。
“わかってる”店づくり。
ただ、「大盛りチャーハン」って言葉に釣られて、ガチ町中華の戦士が行くと「ん?」ってなる。
これはそういう店。
胃袋にパンチ入れてくる系じゃないし、汗だくになりながらワシワシ食べる系でもない。
どちらかというと、デートとか、気の置けない友達と昼飯を軽く楽しむ用。
ガチ勢が腕組みして挑むと、肩透かしくらうやつ。
町田の今を象徴するような、ごはん屋さんだった。